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お客様の声:KUBOTA 遠心機

島根大学 松本先生

[ 7780Ⅱ、RH-1004] 現行モデル 7000

ご研究内容

作物の養分吸収獲得機構に着目され、土壌中の窒素やリン酸、カリなどが乏しい場合でも、作物自体が持つ力によってそれら養分を可吸化し、吸収する機構についてご研究されています。

施設名
島根大学 生物資源科学部附属
生物資源教育研究センター

センターご紹介
生物資源科学部の附属施設として、森林、農地、海洋の各専門部門が一体となっての教育、研究の推進をされています。

所在地
島根県松江市

大学HP
http://www.life.shimane-u.ac.jp

世界的な食糧不足が叫ばれる中、日本も国家として食料自給率の向上や農業の振興が求められています。 弊社の商品ラインナップの中で、土壌用ロータ(RH-1004)は直接的に農業に関わっている商品であり、松本先生のところでは土壌溶液のご研究にお使いいただいているとお聞きし、ご研究内容・使用方法などを教えていただきました。

まずご研究内容をお教えいただけますでしょうか?

通常土壌のPF値を測定するのに土壌用ロータを使用しますが、私の場合はいま土壌に溶け込んでいる水分、すなわち土壌溶液を調べてい ます。

土壌溶液・・・ですか?


植物は土壌に溶け込んでいる水分から養分を吸収しています。ですから植物の養分吸収獲得機構を知ろうとすると、土壌に溶け込んでいる水分、すなわち土壌溶液を研究したほうが早いのです。
もっと簡単に言うとこういうことです。たとえばホウレン草を育てていて、色が少しあせているから窒素が足りないだろう、というのは分かる。しかしどれくらい窒素を加えたらいいのかという、定量的な部分は分からない。
私たちは土壌溶液を直接調べ、その溶液中の養分を定量化することで、ホウレン草ならホウレン草の、どの生育時期にどのくらいの肥料をやればいいのかという肥培管理をマニュアル化しているのです。

なるほど、少しずつ分かってきました。先生のご研究のような内容は、けっこう一般的なのでしょうか?

いえ、あまり一般的ではないでしょうね。一般的にはその土壌がどれくらい水分を保持できるかという保水性を見ています。つまり物理的なアプローチになります。私のは、物理というよりも化学的なアプローチになると思っています。


※採取した土壌を採土缶に入れ、濾過ケースをロータにセッ
 ト、9,000rpmで15分から20分遠心。
 遠心後に採水ケースに土壌溶液が回収されているので、そ
 の成分を調査されています。

そうなのですか。ところで今は、どのような内容のご研究に、特に注力されているのでしょうか?

植物の根の周りの土壌と、その養分状態を調べています。土中の養分で代表的なものはリン酸ですが、実は土中には、アルミニウムや鉄と結合したリン酸が多く存在しています。しかし一方でそれらのリン酸は鉄やアルミニウムと結合しているため、植物が吸収できないという事情があります。
ところがある種の植物は、根からクエン酸などの酸をだします。そしてこれらの酸が、たとえばリン酸アルミニウムを分解することにより、土中のリン酸を豊富にすることができます。

生命の不思議さを感じさせるお話ですね。
具体的には、どのようにして根の周りの土を取っているのでしょうか?

植物の種をまいて、そのまいたところにケースをたくさん埋めておきます。そうするとそのケースの中に根が生えていくので、根の周りの土壌成分と、根がないところの土壌成分を比較できるというわけです。

最後になりますが、ご使用になっていて何かご不満などはありますでしょうか?

価格が高いのが難点でしょうか。もっと安くして下さい(笑)。 それ以外では、サンプルの数が多いときは、一日に20~30サンプルを処理します。いまは4サンプルしかセットできないので、一回の遠心での処理数が、もっと増えると助かりますね。

最後に
本日はご多用の中、植物と土壌のご研究についていろいろとご教授いただきましてありがとうございます。
植物の根が酸を出しており、それが土中の養分を豊富にするというお話などは、いわゆるエコシステムを想起させ、自然の不思議さを実感いたしました。
今後もよりよい商品を作ってお届けできるように頑張りますので、よろしくお願いいたします。