お客様の声:CHRiST 凍結乾燥機
高知女子大学 渡邊先生
ご研究内容
食品の機能には、一次機能(栄養素の組成)、二次機能(美味しさ)、そして三次機能(生体調節機能)があり、このうち三次機能に着目されてご研究されています。
特に野菜類に含まれる植物化学物質(フィトケミカル)に着目されてご研究を進めておられ、地域の食材を生かした食品機能の探索や、有効利用のサポートなどを進めておられます。
大学・学科名
高知女子大学
健康栄養学部 健康栄養学科
渡邊先生
所在地
高知県高知市
クリスト凍結乾燥機は、テーブルトップのコンパクトタイプながら真空制御、温度制御に優れ、S大学 H先生の「お客様の声」でご紹介させていただいたように、精子など温度に弱いサンプルの凍結乾燥に適しています。
今回は精子以外の凍結乾燥の事例として、野菜類に含まれる植物化学物質(フィトケミカル)をご研究をされている高知女子大学 渡邊先生にお話を聞かせていただきました。先生は20種類の野菜の凍結乾燥を試され、野菜中のフィトケミカルを維持しながら乾燥させるには、野菜によって凍結乾燥、低温乾燥と使い分ける必要があると突き止められたとのことで、詳しく教えていただきました。
本日はご多用の中、お時間をいただきましてありがとうございます。 まずはご研究内容をお教えいただけないでしょうか。
私は野菜類に含まれる植物化学物質(フィトケミカル)を研究しています。フィトケミカルというのは、たとえば一般的にも定着してきたところでいうと、カテキンやポリフェノールなどが挙げられます。
私はこれら機能性成分を研究し、機能性成分がどうして効くのか、どのように使っていったらいいのかを研究しています。
カテキンやポリフェノールというのは聞いたことがあります。ところでそれら機能性成分のご研究と、ALPHA2-4LDplusとはどのような関わりがあるのでしょうか。
野菜から機能性成分を抽出する、つまり食品加工工場に持ち込む前の処理として、野菜を乾燥させるという工程があります。
現在はこの乾燥工程において、野菜の成分を維持するには低温乾燥という方法が一番良いとされています。低温乾燥とは、冷たい風を野菜に強烈にあてて乾燥させる方法です。一部の野菜類において、この目的には凍結乾燥はあまり良い方法とはみなされていませんでした。
しかし私はクリストの凍結乾燥機で20種類の野菜の乾燥を試し、いくつかの野菜では凍結乾燥時の温度と気圧をしっかりコントロールすれば、あまりよくないといわれていた凍結乾燥での乾燥の方が、低温乾燥よりも機能性成分の失活が少ないことをつきとめました。もっと正確にいえば、機能性成分を維持しながら乾燥させるには、野菜によって凍結乾燥と低温乾燥を使い分ける必要があるということです。
いまはこの対象を、40種類くらいに拡大して整理することを目標としています。
なるほど。少しずつ分かってきました。
短期のご研究目標は分かったのですが、中長期的にはどのようなところを狙っていらっしゃるのでしょうか。
機能性成分は上手に使えば、疾病の予防や健康の増進につなげることができます。しかし当然のことながら、ブロッコリーからとったポリフェノールと、カボチャからとったそれとは、効果に差があります。いまはどの野菜から何をとれば一番効き目があるかを調べ、あわせてその機能性成分を野菜から抽出する前工程として乾燥させるのに、どの方法論をとれば一番活性を保てるかを調べています。
理由の一つとして、機能性成分を抽出するもととなる野菜は、収穫時期が一時期に集中します。乾燥をして、機能を維持できる状態で保管できるようにし、必要に応じて加工食品の製造工程に移すことができれば、食品の無駄をなくしたり、規格外の野菜類を有効に利用することができると考えています。
またこの大学は高知にある大学ですから、土佐の食材を生かした食品機能の探索や、有効利用のお手伝いをしたいですね。
最後に
機能性成分については初めて教えていただきましたが、知らないことばかりで大変勉強になりました(編集注:インタビューの合間合間に、渡邊先生には機能性成分の初歩的な知識についてもいろいろご教授いただきました)。
また最近脚光を浴びている機能性成分のご研究に、弊社クリスト凍結乾燥機がどのようにお役に立っているのかを教えていただき、非常に新鮮な驚きであり、また喜びでもありました。
今後とも、何らかの形でお役に立てればと考えておりますので、よろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。