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お客様の声

国立環境研究所 鑪迫様 [ミーレ全自動洗浄機G7883LAB]

国立環境研究所

農薬、殺虫剤等に含まれる環境ホルモンが、世代を超えて生態系に与える影響についてご研究されています。

施設名

独立行政法人国立環境研究所
環境リスク研究センター
環境曝露計測研究室

施設ご案内

化学物質、侵入生物など、人の健康や生態系に影響を及ぼすおそれのあるさまざまな環境リスクに関する研究

所在地

茨城県つくば市

研究所HP

http://www.nies.go.jp/risk/

 

ガラス容器の洗浄において、洗浄現場では超音波洗浄、ジェット式 洗浄など、それぞれの洗浄方法の長所短所をふまえたうえで、使い分けておられます。
国立環境研究所 鑪迫様におかれましては、環境ホルモンの調査のため、メダカやミジンコを使ってのバイオアッセイを開発されており、その中でガラス器具に傷がつくのを絶対に避けたい、いろいろお試しいただいた中でジェット式洗浄がベストであるとのことで、ミーレ洗浄機をお使いいただいております。
今回は環境ホルモン調査のためのバイオアッセイの詳しい内容をうかがうと同時に、どのようなかたちで洗浄機をお使いいただいているのか、お話しをお聞かせいただきました。

まずはご研究の内容を教えていただけますでしょうか?

農薬や殺虫剤等に含まれる環境ホルモンを調べ、それが土壌や河川に流れたときに、生態系へどんな影響を与えるのかを研究しています。

専門知識がないので素人的な聞き方になってしまうのですが、環境ホルモンというと、汚染された水で生き物が死んだりしてしまう、あれでしょうか?

一般的に環境ホルモンというと、生きるとか死ぬとかに考えられがちですが、専門家としていえるのは、実はそういうのはあまり怖くないんです。本当に怖いのは、野生動物が知らないうちに消えていく。見た目で分かる影響ではなく、生態系の何世代かあとに影響が出てくることです。

たとえば最新の研究事例では、環境ホルモンによってミジンコがオスしか産まれなくなったと報告がありました。ミジンコはメスが単独で子を作ることができる、これを単為生殖というのですが、オスしか産まれないようになると、見た目には個体数は変わらない。しかし全部オスなら次の世代はないですよね。

こういうケースで怖いのは、見た目には何も変わらない、異変が起きているように見えない。しかし知らないうちに、確実に生物は消えていっているということです。

環境ホルモンがそんなに怖いものだとは知りませんでした。よく聞く「蛍がいなくなった」とかいうのも、そういうところに見えない原因があるのかもしれませんね。

これは当研究所で行った実験ですが、ある場所で工場廃水を採取し、その濃度を段階的にいくつか準備し、どの濃度のときに生態系にどのような影響を与えるかを調べました。その結果、工場廃水がある濃度になると、メダカの出生率が10%ダウンすることが分かりました。

10%ダウンと数値だけを聞くと、大したことが無いように聞こえると思います。しかしメダカやプランクトンなどの10世代はすぐやってきます。そして10世代経つと、もとの4割まで個体数が減ってしまいます。こうやって、野生動物が消えていってしまうのです。

なるほど、本当に怖い話ですね。聞いているだけで何だか背筋が寒くなってきました。ところで具体的にどのような実験をされているのでしょうか。

ミジンコやメダカを用いたバイオアッセイの実験系を確立しようとしています。先ほどお話ししたように、環境中に流出した化学物質が、生物内のホルモンを撹乱させることにより、世代を超えていろいろな影響が起きます。逆に言えば、実験としては世代を超えないと、目に見えて影響が出てきません。そのためメダカであれば親が卵を産んで孵化し、その孵化した子が、もう一回卵を産んでそれが孵化するかどうか、三世代にわたる実験を行っています。

メダカ(オス)メダカ(オス)

ミジンコミジンコ


※写真は国立環境研究所様ご提供です

三世代にわたる実験・・・ですか。なんだか気の遠くなるような話しですね・・・。

この実験に使うメダカの飼育も、実はとっても大変なんです。
というのは、化学物質はいたるところに存在するということが一つ。またもう一つは、化学物質による生体内ホルモンの撹乱というのは、ppbとかそのレベルの微量の化学物質によっても引き起こされてしまう。そのためメダカを飼育するにあたっても、化学物質が飼育環境に混入するような状況を、できるかぎりシャットアウトしなければならない。

ですから当研究所ではメダカを飼育する水槽も、ガラスの一体成型品を特注で作り、ガラス同士を接着させる接着剤のようなものは一切使っていません。また水や空気についても、フィルタを幾層も重ねて完全に化学物質を除去しています。エサも天然のものしか与えていません。普通ではありえないくらい、贅沢なメダカなんです(笑)。

メダカの飼育室メダカの飼育室

飼育中のメダカ飼育中のメダカ

大型の水槽もガラスの一体成型大型の水槽もガラスの一体成型


すごい施設であり、また取り組みも徹底されていますね。ところで先ほど、ミジンコのお話も出ていましたが、ミジンコを使った実験とはどのようなものなのでしょうか。

まず調査したい化学物質を、7段階の濃度に分けて準備し、それをカップに入れます。そのカップにミジンコを入れて飼育し、毎日決まった時間帯に個体数をカウント、あわせて雌雄の確認もしています。もちろん個体によってのばらつきも出るでしょうから、それを排除するためにミジンコも10家族準備して実験しています。

ミジンコ飼育中ミジンコ飼育中

ところでこのカウントの作業は、人間の目で行なっています。具体的には、カップを蛍光板に置き、蛍光灯の光を利用してカップ内のミジンコを数えます。だからそのカップに傷がつくと、蛍光灯の光の反射が乱れ、正確にミジンコを数えられなくなります。

ミジンコの数を測定中ミジンコの数を測定中

カップ中のミジンコカップ中のミジンコ


ミーレ洗浄機は、そのバイオアッセイで使用した容器の洗浄に役立っているわけでしょうか?

その通りです。洗浄についてはいろいろ試したのですが、超音波洗浄ではどうしてもカップ全体にすり傷がついてしまう。手洗いでのブラシ洗浄でも、傷がついてしまう。たとえばブラシ洗浄でついた傷には、化学物質がつきやすい、光が乱反射して観察し難くなるなどの問題があるのでどうしても使えない。ですから私たちの研究室では、ジェット型のミーレ洗浄機を使用しています。
ジェット式の洗浄でも、カップの口の部分に多少の傷がつきます。しかし、決定的に重要なのは、ジェット式の場合にはカップの底に傷はつきません。カップ内のミジンコをカウントするのが私たちの実験ですから、ここは非常に重要なのです。

なるほど、実験の内容によっては洗浄方法まで考えなければならないんですね。ちなみにミーレ洗浄機の使用頻度はどのくらいですか?

先ほどのミジンコのカップでいえば、一日数百個のカップを毎日洗っています。またメダカを飼育している水槽は、週に2回の洗浄になります。これらに通常使うビーカーなどが加わりますから、一日の洗浄機使用回数は少なくても3回、多いときでは6回ぐらいになります。

あと土曜日、日曜日も水の交換を行っているので、洗浄機は毎日働いています。研究スタッフからも、「洗浄機が無いと仕事にならない」、「この子(洗浄機)は本当に働きものだね」、という声も聞こえています。
G7883LAB設置
G7883LAB設置

カップの洗浄カップの洗浄

水槽の洗浄水槽の洗浄


お話しをお聞きしていて、洗浄の手間を省くためにミジンコを入れるカップなどをディスポにすればよいと思うのですが、なぜディスポにしないのですか。

先ほども説明したとおり、ディスポ容器がプラスチック製だからです。
プラスチック製品を使わない理由は二つあります。ひとつは、対象としている化学物質がガラスより吸着しやすく、曝露濃度が低くなってしまうこと。もうひとつは、プラスチックから化学物質の成分が溶出してくることがあるためです。

私たちが行なっている試験は、ppbやpptのレベルで試験を行なっているので、絶対に外から化学物質が入り込むことを防がなければなりません。だから私たちはガラス製の水槽やカップを使用していますし、洗浄機での洗浄も、すすぎの回数を多くして、洗剤がまったく残らないようにしているのです。

ミーレ洗浄機が鑪迫様のご研究にお役に立っており、非常にうれしく思いますが、何かご不満な点はおありでしょうか?

特注で上・下段ワゴンを作ってもらいましたが、上段のラックが重くてセットしづらいことですかね。特に女性には不評なので、ぜひ改良をお願いしたいと思います。

(最後に) 本日はご多用の中、お時間をいただきまして誠にありがとうございました。
環境ホルモンはよく耳にするキーワードではありますが、一般的に広まっている認識がいかに間違えているか。またお話しをお聞きし、環境ホルモンの本当の怖さを知ることができました。私たち自身も、もっとこういったことに目を向けていかなければならないと、改めて気持ちの引き締まる思いです。
またそんな中、洗浄機が鑪迫様のご研究のお役に立っているとのことで、大変うれしく思います。
今後とも、何らかの形でお役に立てればと考えております。本日は本当にありがとうございました。