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お客様の声 クリスト 凍結乾燥機

赤塚植物園長谷川様 [クリスト凍結乾燥機 ALPHA 2-4 LDplus]

赤塚植物園長谷川様 [クリスト凍結乾燥機 ALPHA 2-4 LDplus]

社名

株式会社赤塚植物園

企業様ご紹介

日本で初めて洋ランの組織培養による大量生産を手がけ、洋ランの大衆化に寄与されました。その後、三重サツキの大量生産で、日本の緑花業界のリーディング・カンパニーとなり、現在ではシャクナゲ、カルミア、三重カナメなどの植物の生産をされています。

所在地

三重県津市

大学HP

http://www.akatsuka.co.jp

 

弊社の凍結乾燥機は、卓上タイプのコンパクトモデルで、精密な温度制御・真空制御ができるということで、製薬企業の研究開発部門様、食品企業の製造部門様、動物精子の保存を行っている大学様などにて導入いただいております。
今回は、赤塚植物園長谷川様にお時間を頂き、ご研究内容や凍結乾燥器のご使用方法などについてお聞きしました。
赤塚植物園様では、組織培養によるシャクナゲやカルミアの生産に取り組まれており、その中でシャクナゲの内生放線菌MBR52の代謝物を回収するために、弊社の凍結乾燥機をご使用していただいております。 MBR52の代謝物は、大量培養してもmg単位しか回収できないとのことで、トラップ容量に余裕のある弊社凍結乾燥機を気に入っていただいているとのことでした。

本日はご多用の中、お時間をいただき誠にありがとうございます。まず初めに長谷川様のお仕事の内容を教えていただけないでしょうか。

赤塚植物園では、大きく分けて二つのことを研究しています。一つは植物の組織培養に関する研究です。もう一つは土や植物、生物にとって欠かすことのできない水の研究です。

前者の研究では、シャクナゲやカルミアに内生している放線菌を利用して、より良い(強い)組織培養苗をつくるための研究を行っています。

植物の培養とお聞きし、子供のころにジャガイモを半分に切って、水に浸けて発芽させて、それを土に植えたことを思い出したのですが、同じことでしょうか。

そんなに簡単なものではありませんよ(笑)。ジャガイモは学校や家庭で出来ますが、シャクナゲはそういうわけにいきません。

シャクナゲから取った組織は無菌状態のフラスコ内で培養します。しばらく培養すると組織から苗が再生し、ある程度大きくなった苗を土に移して栽培、というフローになっています。

フラスコ内で培養した苗は根がほとんど出ておらず、土に移して栽培することで発根させます。

実はこの土に移植するところで、大量生産の第一のハードルがあるのです。まず根付くまでの苗は乾燥に非常に弱いので、ビニールハウス内を多湿状態にする必要があります。

しかし、多湿状態では、病原菌の増殖が活発になるので、せっかく植えた苗が根付く前に病気にかかり、枯れることがあります。苗はしっかりと根が張りさえすれば病気にも強くなるので、ここが最初の勝負になります。

なるほど。そうすると病気にかからないようにするには、苗を土に植えてから、発根するまでの期間が短ければ短いほど良いわけですね。ちなみに発根して根付くまでの期間はどのくらいでしょうか。

通常ですと、発根し、根がしっかりと張るまでの期間は約3ヵ月間です。しかしこれでは時間が掛かりすぎるため、病気になる苗が多くなってしまいます。

そこで私達は抗生物質の生産機能をもつ放線菌を苗に定着させ、病気に強い苗を作ることができないかと考え、色々な菌を使ってテストを行ないました。

その結果、カルミアから分離した放線菌AOK30を処理したシャクナゲ、 カルミアの組織培養苗は病気に強くなること、また別の内生放線菌 MBR52を処理した苗は、その根の発生・生育が促進されることが分かりました。
MBR52を処理することで、発根から根付くまでの期間は、わずか1ヵ月に短縮することができました。

根付いたシャクナゲの苗
根付いたシャクナゲの苗

また、シャクナゲやカルミアの苗を植える環境にも気を配っています。24 時間温度・湿度を管理したビニールハウスの中で、シャクナゲやカルミアの組織培養苗を育てています。与える水も、私どもが独自に開発したFFC水(編集注: 植物を元気にする水とのことでした)を散水して育てています。

シャクナゲの苗のビニールハウス
シャクナゲの苗のビニールハウス

徹底した環境管理で栽培されているシャクナゲを、ジャガイモと比較してすみませんでした(笑)。
ところで、凍結乾燥機はお仕事のどこでご使用になられているのでしょうか。

凍結乾燥機は、培養した内生放線菌MBR52の代謝物を回収する過程で使用しています。この代謝物の中には、植物の根の発生・生育を促進する物質が含まれています。

MBR52の培養から代謝物の抽出・精製は、

@まず初めに、MBR52を培地で大量に培養します。

AMBR52の菌体を回収し、水に入れて培養します。

B培養で使用した水をフィルタでろ過し、ろ過した水を広口瓶に入れて凍らせ、それから凍結乾燥機で乾燥させます。

C凍結乾燥機で乾燥させた乾燥物をいろいろな方法で精製し、そこに含まれる根の発生・生育促進物質を分析します。

MBR52の胞子鎖(赤塚植物園長谷川様ご提供)
MBR52の胞子鎖 (赤塚植物園長谷川様ご提供)

ここで、クリスト凍結乾燥機がお役に立っている訳ですね。

はい。この凍結乾燥機の良い点は二つあります。

一つは、一回の運転で乾燥できる処理量が多いこと。ALPHA2-4のトラップ容量は4リットルまで対応しているので、試料をガンガン取り付けても安心して使用できます。MBR52の代謝物は、水200mlからわずか0.05gしか取れません。ですから、より多くの根の発生・生育促進物質を得るためには、大量の水を乾燥させる必要があるのです。
もう一つは、乾燥チャンバの中に試料を入れることができ、更に乾燥チャンバについている接続ポートにも試料を入れた瓶を取り付けることができることです。

内生放線菌MBR52の代謝物を回収する作業は、ほとんど私の仕事ですが、この凍結乾燥機は、他の研究員の方も使用しています。使用していない乾燥チャンバの接続ポートに、あとからでも乾燥したい試料を入れた瓶を取り付けることができるので、私が凍結乾燥機を使用していても、他の研究員の方に迷惑を掛ける心配がありません。

凍結乾燥中の広口瓶2本(接続ポート:広口瓶やフラスコを取り付けるためのポート) + 凍結乾燥用広口瓶

あとから他の試料を付けて乾燥させているとのことですが、両方の試料へのコンタミは心配無いのでしょうか。

凍結乾燥機を使うときは、試料を入れた瓶の口には必ずフィルタを付けてからセットしているので、コンタミの心配はありません。

お話しをお聞きし、凍結乾燥機がお役に立っており、非常にうれしく思いますが、何かご不満の点はおありでしょうか。

チャンバを取り外したときに、チャンバの接続面につけた真空グリースが服についてしまうことがあることですかね。真空グリースが付くとなかなか落ちなくて・・・。それ以外は特に不満は思いつきませんね。

(最後に)真空グリースは、気密性を高めるためにチャンバの接続面に塗る必要があるので、チャンバを取り外すときに出来るだけ注意を払っていただくようにお願いします。
私どもが園芸店などで見ている苗も、品種によっては大量栽培が難しく、長谷川様は、そのような苗を大衆化させるために日々、ご研究されていることを知りました。
そのような中で、弊社凍結乾燥機が長谷川様のご研究のお役に立てているとのことで、大変うれしく思います。
今後とも何らかの形でお役に立てればと考えております。
本日は誠にありがとうございました。